Illustratorを使ってチラシやポスターなどをデザインする際、写真(画像)の上に文字を重ねる場面が結構あります。ただ、それらを上手にレイアウトする方法については結構悩む人が多いのではないでしょうか。
特に初心者がよくやりがちなのが「文字が読めない(読みづらい)デザイン」です。
こういうやつです。


自分も経験があります。
上記は極端な例ですが、テキスト情報はしっかり読んでもらえて初めて意味があります。そのため読みやすさ(可読性といいます)を意識したデザインを心がけたいです。
この記事では「写真の上に重ねた文字を読みやすくするテクニック」をいくつか紹介します。しかしひとつひとつは難しいものではありません。
簡単で、しかも効果的。
Illustratorの扱いに慣れていなくても気軽に実践することができます。もちろん実際に自分が仕事でよく使うテクニックばかりなので、これからデザインをはじめる方にとっても、現場ですぐに役立つテクニックです。
- 新人デザイナー
- これからデザインを始めたい超初心者
- チラシの作成を頼まれてレイアウトに困っている
- こなれたデザインを作れるようになりたい
初心者の方でもすぐに使えるものばかりなので、是非一緒に試してみてください。
これさえ覚えればチラシやポスター、ブログのアイキャッチなどに活用することができます。
1.可読性を保てる場所にレイアウトする
まずはじめに考えるべきは「写真の邪魔をしないこと」です。特に画像を背面全体に使用する場合には、文字を置く位置によって全体の印象がかなり変わってくるので、注意が必要です。

上記のサンプルでは左下に広いスペースがあるので、ここに文字を配置すれば、読みやすいし、写真のイメージも邪魔しませんね。

これはかなりわかりやすいパターンですね
次に意識すべきは【文字の読みやすさ】です。下のサンプルのように明るい場所と暗い場所が混在している場所には文字をそのまま入れるのは難しくなります。

モデル正面の金網の部分に明るい所と暗い所が混在しているのがわかります。こういうところに文字を乗せると失敗しやすいので注意です。
この場合はモデルの背後の暗い部分に文字を入れるのがベターです。
- 写真の邪魔にならない場所を探す
- 明るい所と暗い所が混在していない場所に文字を配置する
以上は「加工しないテキスト」をそのまま重ねたパターンで、最もベーシックな考え方です。

次に文字や背面のオブジェクトを加工していく方法を紹介します。
2.長いテキストはボックスの中に配置
写真の上に配置するのはキャッチコピーのように大きくて短いテキストではなく、長文の場合もあります。先ほどの例のようにテキストが置けそうなスペースがない場合はボックスを作ってその中に配置する方法がおすすめ。


左側にテキストを入れてみましたが少し読みづらいと感じます。
そこでブルーのボックスを配置してその上のテキストをレイアウトしました。

これでかなり文字は読みやすくなりましたね。しかしデメリットとして、ボックスを重ねた部分は写真が完全に見えなくなってしまうため、使用する画像によっては違和感が出てしまうことがあります。

一手間加えるとグッと良くなります
応用編:ボックスを透過させる
上のデザインにもう一工夫するならボックスの透過がおすすめです。ブルーのボックスを選択→透明ウィンドウから透明度を変更できます。


背面の写真が少し透けて、一体感のあるデザインになりました。テキストの可読性も考慮しつつ、ベストな透明度を探っていきましょう。
3.写真を暗くする
文字を読みやすくするために、画像そのものを暗くする方法も効果的です。画像を直接編集するならPhotoshopでやったほうが細かく調整できますが、Illustrator上でも簡単にできます。




これで簡単に写真の暗さを調整できます。
さらにカラーモードをRGBに変換してカラーを調整すれば・・・



モノクロだけでなく好みの色に変更することも可能です。
応用編:乗算でグラデーションを重ねる
写真の色を変える際にカラーバランスで調整するほかに透明メニューの「乗算」を使った方法も合わせて紹介します。

簡単かつ効果抜群です!




完成です。
可読性を損なうことなく印象的なグラデーションをかける事ができました。また、乗算で重ねたオブジェクトを選択すればいつでも色を変えることができます。
見た目もきれいなので個人的におすすめの方法です。
4.写真をぼかす
写真全体をぼかせばテキストの可読性を上げることができます。ただ、ぼかしすぎると何の写真かわからなくなってしまうので注意が必要。
写真が主役になっているデザインの場合には向かないので、このテクニックも使う場面を見誤らないように注意したいです。

サンプルはこちらです。文字が後ろの写真と同化してしまっている印象を受けます。


ぼかしの度合いをpixelで指定します。

5.文字にドロップシャドウをかける
文字に影をつける「ドロップシャドウ」も、手軽なテクニックの一つです。
上のサンプルのテキストを選択したとき、[アピアランス]はこのようになっています


ここに【ドロップシャドウ】という効果を新たに追加します

【fx】のマークをクリックします


今回はこのような数値にしました。あまり数値を大きくしすぎない方が効果的です。

テキストにドロップシャドウと呼ばれる影をつけることができました。この時テキストのアピアランスはこのようになっています。

やりすぎると野暮ったくなるので、自然な感じに仕上げましょう。
6.アピアランスで文字に線(フチ)をつける
とにかくテキストを目立たせたいなら文字にフチ取りをつけてしまうのもおすすめ。上で紹介したアピアランス効果は重ねがけすることが可能です。かなりコテコテなデザインになるので使いどころは限られますが、文字を目立たせる効果は大きいです。


テキストを選択した状態で右下の〼マークをクリック。これで塗り・線ともに透明になります

アピアランスウインドウが開きます

丸で囲んだ2つの四角をそれぞれ1回ずつクリックすると下記のようになります


角が少し丸くなっていい感じに仕上がります

線の太さもこのときに変更します(20ptにしました)


完成です。
アピアランスウインドウからさらに下に別の色の線を追加

線だけにドロップシャドウをかける

応用編:フチをアピアランスでぼかして自然に
アピアランスで作ったフチをぼかせば、自然に背景となじんでくれるのできれいな仕上がりになります。
太い縁取りと相性の悪い細いフォントや、明朝体などにも使えるため、すっきり上品なデザインにしたい場合はオススメです。


やり方は上記と全く同じです




完成です。ぼかした線にすることでより背景になじませたデザインになりましたね!
アピアランスはこういう状態になっています

ぼかしの範囲を大きくすればふわっとぼかせますし、線自体を太くしてしまえばくっきりしたぼかしの線を入れることができます。もちろん好きな色にいつでも変える事ができます。

こちらもかなり応用が効くテクニックなので、好みのぼかし方を研究してみましょう!
まとめと気をつけるポイント
写真の上に文字を重ねる基本的なテクニックを紹介してきました。これらを使えばかなりデザインのバリエーションが広がるのではなかと思います。最後に気をつけたいポイントについて触れておきます。
写真を邪魔しない配置を考える
個人的には極力ふち取りをつけたりドロップシャドウをつけたりしないのが理想だと考えています。テキストをうまく配置できるスペースがあればいいですが、必ずしもそうではないので、そのような場合は紹介したテクニックを使うと良いかと思います。
加工をやりすぎない(あくまで自然に)
デザインのテイストにもよりますが、フチ取りが太すぎたり、シャドウが濃すぎたりするのはデザイン全体の印象を悪くしてしまうおそれもあるので注意したいポイントです。
全体のデザインに合った加工方法を選ぶ
最後に「適材適所」です。選ぶフォントの種類や全体のデザインテイストによっては、違和感が出てしまう加工もあります。
たとえば特に細いフォントに太いフチとか。

こういうのは最悪ですね。100%ダサいです
それぞれに使いどころが変わってくるので、いろんなパターンを試してみて、ベストな方法を探してみてください。主なポイントは以上です。あとはトライ&エラーで色々と試してみてくださいね!
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