パンクバンドのライブフライヤーのようなざらざらの汚れた風合いをPhotoshop上で再現していきます。
こうしたアナログ表現をマスターしておくと、色んな場面で応用が効くのでおすすめです。
こうしたあえて汚したような表現を「グランジ」と呼びます。こうすることで雰囲気も増し、ぐっとかっこよくなります!
完成品はこのような感じになります。
ノイジーでかっこいいですね!サンプルなので分かりやすく多少派手な処理を行いましたが、このあたりの力加減は調整してみてください。
今回はいくつかのテクニックをまとめたので少し長いですが、ひとつひとつはそれほど難しくありませんので順番にチャレンジしていきましょう!
紙のテクスチャを用意
今回はA4サイズのフライヤーを想定して作成します。
新規書類をA4サイズで作成します(210×297mm)
今回使用した紙のテクスチャはフリーの素材を使用しました。シミがついてたり折り目がついてたりして汚れてるテクスチャをチョイス。こうした素材はネット上にフリー素材として公開されてることが多いので、いい感じのものを見つけたらストックしておくと良いと思います(使用ライセンスは必ずチェックした上で使用しましょう!)
http://bashcorpo.deviantart.com/art/Grungy-paper-texture-v-6-37649221
[tensen]
テクスチャの上にベージュのレイヤー塗りを追加して、描画モードを乗算、不透明度を50%にします。
これで土台のベースが完成したので、さらにレイヤーを重ねながら作っていきます。
人物写真を用意
こちらもフリー素材をチョイス。彫刻を人間に見立てて使用します。実際に人物の写真を使う場合も作業自体は変わりません。
https://unsplash.com/search/Sculpture?photo=HtQRGemW_40
人物を切り抜く
4体の彫刻をペンツールで切り抜き、不要な部分を削除します
するとこのような感じに。
質感を追加
テーマは「汚し」なのでキレイなままではイマイチ雰囲気が出ないので、アナログっぽい質感を追加していきます。
コピー機で何度もコピーしたようなザラザラの質感というとイメージしやすいかと思います。
先ほど切り抜いた人を新規ファイル上に配置してモノクロ変換します。
[tensen]
コントラストを上げます。
コントラストと明るさを上げてハイコントラストの状態に。元の画像によって数値は変わるので使用する画像に応じて調整してください。
[tensen]
アンシャープマスクでさらに明暗をつけます。
[フィルター]→[シャープ]→[アンシャープマスク]とすすみ数値を画像のように設定すると先ほどよりもっと明暗がハッキリしました。
[tensen]
ノイズを追加
[フィルター]→[ノイズ]→[ノイズを加える]→【ガウスの分布】にチェック入れ、ノイズの数値は5%に。
[memo title=”MEMO”]あくまで「質感・雰囲気」なので、やりすぎは禁物です![/memo]
人物の処理はひとまずこれで完了です。用意した紙のレイヤーの上に配置します。同じ要領で残りの3人も処理して配置します。
位置や人物の大きさの微調整はあとからやるのでとりあえず大体で大丈夫です。
それぞれの画像の処理
レイヤーを分けて画像を配置したので、それぞれ個別の処理を行います。今回はサンプルとしていろんな表現方法を混ぜて試します。
単色刷り
「単色刷り」とは、文字通り1色のインクで印刷したもの。先ほど作ったモノクロの素材を任意の色に変更します。
[alert title=”注意”]ここでレイヤーのコピーを作っておくのがオススメ。レイヤーを直接編集するので失敗した時に後戻りできません。[/alert]
人物1のコピーを作りレイヤーを選択します。
見本のように赤一色刷りを再現するには、塗りの部分を赤に設定(わかりやすいようにR250にします)
[tensen]
この状態で[フィルター]→[スケッチ]→[ハーフトーンパターン]を適用。
任意の色を指定し、ハーフトーンパターンをこんな感じになります。この赤色は上で指定したR250の色。
[memo title=”MEMO”]ここでも若干コントラスト上げるといい感じになります。[/memo]
[tensen]
描画モードを【乗算】に変更
乗算に変更すると、白い部分が透明に抜けます。
これで単色刷りになりましたね!
版ズレを再現
次は版ズレを再現。先ほど度おなじようにレイヤーのコピー作ってハーフトーンパターン→乗算で重ねます。
下のものと画像を残したまま上で作ったレイヤーを左にずらせば完成。
フリーブラシでクオリティを上げる
今回加工ではスプレーを吹いたような表現とハケで書いたような黒い帯を入れました。デフォルトではこんなブラシは用意されていないので。フリー素材をダウンロードしています。
使用したのは下記の2つ。
使い方はダウンロードしたファイルをPhotoshopで展開したらすぐ使えるようになります。
ブラシを使ってマスクをかける
ダウンロードしたブラシを使用してマスクをかけます。
人物2レイヤーを選択→レイヤーマスクを追加
スプレーのブラシを選択してレイヤーマスクをかけると、下の画像のように肩の部分がスプレーの飛沫状に消えました。
人物2レイヤーはこのような感じになっています。
ロゴマークをスプレーで描いたような表現に
次は右下の部分。スプレーで描いたようなロゴマーク。これもブラシを使って作ることができます!
最初に黒いスプレーを適当な所に置きます。
その上にロゴマークを配置。まだキレイな状態のままです。
[tensen]
ロゴを選択した状態で[選択範囲の変更]→[境界をぼかす]→半径10pixel
その選択範囲を保持したまま(解除せず)ロゴのコピーを作成
[tensen]
今コピーしたレイヤーを白いスプレーのブラシでクリック
滲んだような感じになりました。型紙を押し当てた上からスプレーで描いたような、ステンシル風の加工が完成!
もう少しラフさを出すために選択範囲を解除してスプレーの飛沫を少し追加しました。
タイトル部分を作成
タイトル部分にはロゴマークをスプレー状のマスクをかけ、ハケで描いたようなブラシを重ね、その上に文字を重ねていきます。
[tensen]
ブラシレイヤーを追加
レイヤーを意識して微調整せえや!
左側の人物に文字が乗ってしまってるので、これをマスクで隠します。[文字レイヤー]と[ロゴ]にマスクをかけます。
こんな感じ。レイヤーマスクはとても便利なのでぜひ覚えましょう。
実際の紙に見立ててレイヤー構造を設計する
最終的にレイヤーの重なりをチェックします。「アナログ風」の処理なので、どの順番で印刷されていったかをイメージするとわかりやすいですね。重なりをしっかり再現できるとリアリティが増します。
今回のレイヤー構造はこんな感じになります。
最後の仕上げ
一番上の文字レイヤーには汚し処理がかかっていませんので、最後に紙テクスチャをコピーします
乗算にすると文字レイヤーにもざらざらのテクスチャが追加されます!
まとめ
今回の加工のポイントは以下
[list class=”li-check”]
- 実際の紙の印刷をイメージして作成する
- 細部のクオリティにこだわる
- 加工はやりすぎ厳禁!
[/list]
ポイントは「いかにリアリティを出せるか」に尽きます。実際のスプレーや、ハケでペンキ塗ったりしたらどうなるかな?とイメージしながら作っていくと上手くいきやすいです。手順も多くなかなか複雑な感じですが、細部にしっかりこだわるといい感じになりますよ!是非挑戦してみてください!
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