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クリエイターに修行期間は必要か

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前回のエントリーでは業務効率化というテーマで徹底して時間短縮について書いてきました。

今回はクリエイターに修行期間は必要かというテーマです。「なるべく時間をかけずに効率的に仕事をしよう!」と書いた前回とは全く逆の話になりますが、老婆心ながら新人デザイナーの方には、厳しいプロの現場に身を置いて苦労しながら成長してもらいたいと考えているので、ぼくのなりの考えを述べてみたいと思います。

ぼくは「弟子入り」した

先日のブログでも書きましたが、自分の場合は実務経験全くなしのド素人からキャリアをスタートさせましたので、働きながら学ばせてもらったという経験があります。でも、当然お給料をいただいているので、なんとか役に立ちたい。でもその技術が無い。最初は本当に必死でした。何もできないことが申し訳なくて、先輩より早く出社してオフィスの掃除をしたり、道具の手入れをしたりといった雑用を進んでやりました。こう文字にすると改めて下積みって感じですね。

しかし仕事なのでやはりレベルアップが急務です。タダ飯を食べてる訳ですから。でも何かを教えてもらうにも先輩の時間を使わせてしまうことになる。そうすると作れる人がいなくて仕事が回らない。となると技術は見て覚えるしか無い。

 「技術は目で見て盗め」まさにそんな経験をしてきました。

 断言しますが、少なからずデザイン業界は職人の世界です。特に小さな会社だと社長やディレクターが師匠、新人は弟子という縦社会の構造は色濃くなります。逆に大きな組織であれば新人教育担当部署があったり、人材育成のシステムが整っていたりするので
上記のようなことは無いのかもしれませんが、ぼく自身そのような経験が無いためここで論じることはできません。

そもそも「修行」は必要か?

ではこの大変な修業期間。本当に必要なのかという問題。今はインターネットや書籍でいくらでもデザインのテクニックや優れた作品に触れることができるし、SNSなどを駆使して一流デザイナーと呼ばれる人にアドバイスをもらえるチャンスだってある。実際にしんどい思いして修行なんかしなくてもいいのではないか…と考える方も沢山要るでしょう。しかしそれは所詮、小手先のテクニックです

技術とは「理論と感覚」

インターネットや書籍からの知識を集めれば確かにデザイン理論(セオリー)は身に付きますし、最新のトレンドを踏まえた作品を作ることが可能です。しかし、もうひとつ大切なものに「感覚(勘)」があります。よくテレビなどで緻密な仕事をしている職人さんへのインタビューで「これはもう長年の勘ですよ。」と言っているのを聞いたことがあるかと思います。デザインにも確かにそういった感覚の世界が存在します。

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上記は俗に「字詰め」と呼ばれる作業です。文字列を美しく見せるため、距離にして0.1ミリとかそういうレベルで文字間を微調整していくというもの。こういう作業は当然経験や慣れがものを言います。

ぼくは新人の時一日中この作業をやっていました。最初のうちはすごく難しくて何度やっても上手くいかず、ダメ出しされ続けすごく悔しかった覚えがあります。今となっては文字の並びを見た瞬間にどこをどう詰めるか、咄嗟に判断できます。修行によってその感覚を手に入れたといえます。

守破離という概念

守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。

守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 ~ 自律的に作業を遂行できる(1人前)。

破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。

離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/守破離

 

今も昔も優れた技術は人から人へと伝播してきました。

では果たしてネットや書籍からの情報のみでこの守破離を完璧に再現できるでしょうか。答えはNoです。これらの情報はあくまで知識や記録であり、師弟間の空気感や下積み時代の辛く苦しい経験を教えてはくれません。

「苦労は買ってでもしろ」。

先人達のその言葉の先に一生もののスキルがあるのだと僕は考えています。

とはいえデザインに正解はない

クリエイティブな仕事の一番の醍醐味、かつ一番の難しさはここです。どれだけ理論を積み重ねても、スバ抜けてセンスがある人も上手くいくとは限らない。血の滲むような努力をしたとしてもです。理論と感覚その両方を併せ持ち、そして人や運に恵まれた人が生き残れる世界だと考えています。

スキル修得に近道はありません。

いかに成長できる現場に身をおくかということが大切です。
未経験でも十分にチャンスはあります。

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